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今日の晩御飯はサンマ定食

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灰と幻想のグリムガル9巻を読んでの感想。


常に死と隣りあわせの作品であるグリムガルの9巻が発売されました。
かなり楽しみにしていた巻なのでネタバレ込みでの感想を書きたいと思います。


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あらすじ

暗闇の世界であるダルングガルからグリムガルへ戻ってきたハルヒロ達。
だが見慣れぬ土地で仲間たちはばらばらになってしまう。

オーク率いるフォルガンに見つかり連れて行かれたランタとメリイ、別の義勇兵であるロック達と合流出来たハルヒロ達。
メリイを救う為にハルヒロは1人フォルガンの拠点に忍び込むが、そこで出会ったのは敵対するランタだった。

仲間たちがばらばらになる中、またみんなは再開出来るのか、元の生活に戻れるのか、それとも……。


感想

前の巻の最後でハルヒロ対ランタという仲間同士の本気の戦いが繰り広げられたわけですが、その結果はハルヒロの勝ちで、メリイを連れて逃げることに成功しました。
その時に仲間であるランタを本気で殺そうとしていたことに悩むハルヒロがまず描かれます。

読み終えるとわかるのですが、この巻はいつにもまして『仲間』について考えさせられる巻でした。
ランタを殺そうとしたハルヒロ、ランタに救われた形になるメリイ、なんだかんだでハルヒロと分かりあえているランタだけでなく、ユメ、シホル、クザクもそれぞれ仲間について考えているんですよね。
章によってそれぞれの視点で語られるので、それを強く感じさせられました。

皆仲間を家族のように思っているんだな、と。

それはもちろん、マナトやモグゾーに対しても同じで、皆がそれぞれの感じ方で家族だと思っていることが伺えます。

グリムガルのどこが好きか、と言われるとやっぱりこれをあげるんだろうな、と自分は思いましたね。
1人では生きていけないほど過酷な環境で、仲間が支えあって生きていく、みたいな。
だからこそ、仲間が死ねば自分が死んでしまうほど辛いし、仲間がはぐれれば心の底から心配するし、仲間が裏切ると頭を抱えるほど悩んでしまう。
読んでいる側としても同じように感じて一喜一憂してしまうほどなんですよね。


そんな感じで大好きなグリムガルなのですが、この巻ではまだ保留となっている箇所が幾つかあります。
次巻への引き、ともなる部分ですね。

小さいところから言うと、ロックの状態。
アーノルドとタイマンをしていたロックですが、両目を負傷しています。
この状態についてはその後特に描かれていません。
治るのかどうなのか、かなり気になる部分だったりします。

あとはユメとオンサについて。
終盤で黒狼に乗ってユメが出てくるので、そこについてはある程度信頼関係ができているのだとは思いますがそれでもやっぱり人間とオーク。
そしてオンサはフォルガンです。
最後まで信頼関係を残したままでいられるのかどうか、これも気になるところですね。

そしてハルヒロの契約の話。
ハルヒロはメリイを救うために死霊術師のセトラと目を渡す契約をしていました。
9巻でそれを引き渡すような流れもあったのですが、色々あってまだ保留中。
仲間と合流するために再度契約してセトラが飽きるまで恋人のように振る舞うというのも取り付けられました。
それを見て困惑するメリイの様子が結構好きだったりもするのですが、これがどこまで続くのかがわからずそわそわしてしまいますね。
ハルヒロがいつまでセトラの『恋人』でいるのか、本当に目を引き渡すのか、気になる要素です。
個人的にはどっかの戦闘でセトラが死ぬとかで契約終わるとかありそうな気もしていますが、どうなんでしょう。
ハルヒロ的には片目になると状況把握が難しくなって生き残るのも結構大変になるように思うのですが……。

最後はランタの行方。
この巻の最後でランタがフォルガンから抜けようとします。
タカサギが黙って見逃すはずもないので10巻ではタカサギとの戦闘が発生することは目に見えています。
ハルヒロたちと合流できるのか、それともランタとタカサギのタイマンのようになってしまうのか。
仲間を押し出しているのでハルヒロたち対タカサギのようになる気もしますが、ジャンボとか出てくるともうどうにもならないですからね。


さいごに

色々書いていて思ったのですが、この巻で一番変化があったのは多種族への考え方だと思うんですよね。
ランタはフォルガンでオークであるジャンボと語らい、また不死族であるアーノルドから酒をもらったり慰められたりして、世界が広がったと言っていますし、ユメもオークであるオンサと信頼関係ができています。
オークといえばモグゾーを失った時の敵なのですが、それだけではない、というように感じさせられました。
もちろんダルングガルでも人間以外との交流があったので同じような話はあったのですが、今まで敵対していた種族との交流は無かったですしね。

あとは代償の話もあるのかな、と。
ハルヒロはメリイを助けるために左目を失います。
望みを叶えるためには何らかの代償が必要……だとするとランタも同じように、報復を受けるような形で何かを失うことになるのでは、と思っています。
グリムガルは都合のいい展開になってほしいときに限ってそうはならないので、何らかの代償を支払うことになると思います。
ただ、ランタには死んでほしくない。
他のキャラももちろんそうなのですが、ハルヒロのことを信用しているけど友達だとは思っていない、みたいな、特殊な立場のランタがここで消えるのはやめて欲しいんですよね。
ずっとランタがいなくなれば……みたいなことを皆思っていたところもありますが、実際にいなくなるととても辛い。
どうなってしまうのか、10巻が待ち遠しくて仕方ないです。


他の記事はこちら

灰と幻想のグリムガルを8巻まで読み終えました。
灰と幻想のグリムガル、原作とアニメとを比較して。




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Comment

無題

  • NONAME
  • 2016-12-31 01:42
  • edit
オンサはゴブリンだけど?

Re:無題

  • 南譲治
  • URL
  • 2017-01-04 23:24
  • edit
>NONAMEさん
コメントありがとうございます。

オークと言うだけでなく今敵対しているフォルガンでもある、ということで、『さらに言えば』という意味で書いたつもりだったのですが、誤解を招く書き方となっていたようです。
申し訳ありません。
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