アニメ『灰と幻想のグリムガル』が面白くて、そのまま原作の方にも手を出してみたのですが、結構雰囲気が違ったのでそれぞれの感想を書いておきたいと思います。
[0回]
スポンサーリンク
アニメ版について
アニメ版はデッドスポットを退治したところで終わります。
マナトをリーダーとしてまとまったチーム。
マナトの死によって変化するパーティの在り方。
そして仲間になるメリィ。
そんな仲間との在り方を通じてハルヒロ達の成長を描いていました。
アニメ版でメインになる人物は2人ですよね。
まずはマナト。
マナトがいたから右も左も分からない世界でハルヒロ達は義勇兵として歩み始めることが出来ました。
ただ、そうやって先導してくれる人物は最後まで共に歩むことは出来ません。
最初のゴブリンを退治したときもそうでしたが、ハルヒロ達の甘さや油断を改めさせてくれる人物だったマナトは、その死でもパーティの気持ちを引き締めさせる役割となりました。
でも、ハルヒロも言っていますが、早すぎるんですよね。
もっとマナトのことを知りたかった。
そう思わせる死に方でした。
そして次がメリィ。
神官であるマナトが欠けたパーティに、代わりの神官として入った彼女は最初はまったく打ち解けていませんでした。
サイリン鉱山での過去を知ったみんながゆっくりと歩み寄り、そしてパーティへとなっていく姿が印象的でしたね。
仲間を失ったことのあるメリィのことを、同じく仲間を失ったからこそ歩み寄ろうとするハルヒロ達。
そうしてお互いのことをもっと知って、より強く結びつくことが出来る。
そんなことを感じさせられました。
原作との違い
アニメ版は原作で言うと2巻までの内容です。
大筋は同じなのですが、描き方やそのタイミングが異なり、それによって感じる雰囲気が異なるように思いました。
一番大きいのはランタですね。
アニメ版でも面倒なやつ、うるさいやつ、というイメージが強かったのですが、原作ではさらに一歩進んで『パーティから外すべきなんじゃないか』というようなことをハルヒロは考えています。
アニメ版でもあった夜の会話ですが、アニメ版ではメリィが仲間になったことに対して話すような雰囲気があったのに対して、原作ではランタを切るために呼び出した、というような流れになっていました。
どちらでも結局ランタはランタなりに考えているんだ、ということをハルヒロが気付くイベントとなってはいますが。
あとはメリィの扱いでしょうか。
アニメ版では後半部分のメインキャラ、という感じだったので、『仲間』になるまでの道程が丁寧に描かれていたように思います。
でも原作では意外とそこはそれほどしっかりは描かれていなくて、でもちゃんと仲間になっていて、という感じでしたね。
こう書くと描写が足りないように感じてしまうかもしれませんが、そうではなくて。
確かにアニメ版と比べると印象的な魅せ方はしていないのですが、でもしっかりと『仲間』なんだなと思える立ち振る舞いに変化していくのが分かって、こういうさりげない感じも良いなぁと思えます。
それとかなり個人的なところではユメのキャラもなんとなく違うように思います。
アニメ版ではちょっと不思議な事も言う女の子、という感じなのですが、原作ではもっとふわふわしている印象を受けますね。
アニメだとそれほど印象に残るようなことは無いのですが、文面で『ふにゃ』とか言っているのを見るとやっぱりイメージが変わります。
改めて考えると、アニメ版では『駆け出し編』と『メリィ加入編』というように分けられるように思えます。
1クールで印象的に魅せるための波の作り方なんでしょう。
中盤で1回目のクライマックスを持ってきて、その後また落として、終盤でまた一気に上げる、という感じですね。
そしてその集大成として最終話に持っていく、というような。
原作でも、『駆け出し編』『メリィ加入編』という感じで進んでいくのですが、途中でオークの顔出しや、ランタをどうするか、という話が入ってきます。
これはもちろん、1クールじゃ終わらない原作だからこそ、その先のための布石なのですが、全体的な波はアニメよりも緩やかですね。
そして同時にグリムガルの世界についての説明ともなっていて、これから色々な世界へ踏み出していくんだ、ということを教えてくれます。
アニメ版では出てくる敵は主にゴブリンとコボルトだけですが、原作では他の敵もちゃんといるんだよということがかなり明確に示されているんですね。
原作ではアニメより展開が緩やかだからこそ、モグゾーがどれくらい頼りになるかを感じることが出来ますし、ランタがどれくらいウザいかも痛感させられるようになっています。
というか本当に女性陣からランタがすごい嫌われているのがよくわかります。
まとめての感想
どちらの方が好きか、と言われると結構悩みます。
どちらも同じくらい好きですしね。
ただ、まとめて見たときのアニメ版は本当に感じ入るものがありました。
音楽があるだけでかなり雰囲気が変わるんですよね。
もちろん原作の方も好きで、気がつけば6巻まで読み進めています。
3巻でまたちょっとつらいことがあって、その先での出来事が個人的には結構心にきました。
メリィが好きなのでそこに焦点を当てて作っているアニメ版が好きですし、同時に自然に居てくれる原作の方も好き、という感じでしょうか。
上で書いたようにアニメ版と原作で見せ方が違うので、それぞれのキャラに対して持つ感情も結構異なります。
アニメ版だとそこまで強く感じることが無かったパーティの一面を原作では知ることが出来る、というような。
同じようにマナトについてももっと知りたかったなぁと思います。
でもマナトが居なくならなかったらメリィ加入しなかったしそのへんは複雑だったりします。
頼りないながらも信頼できるそんなリーダーとなったハルヒロと、彼を支えて、一緒にグリムガルを生きるパーティ。
どうしてこの世界に来たのかがアニメ版では明かされることはありませんし、原作でも今読む限りでは全くわかりません。
これからどうなっていくのかが本当に楽しみで、先が気になる、そんな作品です。
久々に大好きだって思える作品に出会えて本当に良かったです。
これからも好きでいたいと思いますね。
(K)NoW_NAME 東宝 2016-05-18
PR
http://katsuji.ni-moe.com/anime/grimgar灰と幻想のグリムガル、原作とアニメとを比較して。
スポンサーリンク
その他の記事はこちら