感想・考えさせられたこと
今回読んだ『ぼくのメジャースプーン』は主人公のぼくと幼馴染のふみちゃん、そしてふみちゃんの好きなうさぎが巻き込まれた悪意の話。そしてぼくとその悪意との戦いの話でした。
『条件ゲーム提示能力』と呼んでいる能力を持っているぼくがそれを使って戦う話。
ではあるのですが、超能力ファンタジーというよりは小学4年生のぼくの心の話という方がしっくりきます。
伏線のようなものはしっかりと明示されてますし、それについては回収されるまでもなく理解出来てしまいます。
しかし、この話で重要なのはそこではありません。
『ぼくのメジャースプーン』を読んで、私は『どんなことにも正解はない』ということがテーマであったように思いました。
秋先生が一緒に考えてくれる『悪との向き合い方』や『人を想う気持ち』についてはとても重要な要素だと思います。
しかしそれよりも深いところにあるのは『どんなことにも正解はない』ということでしょう。
秋先生の台詞で「自分のエゴで、自分の都合で、時に結び付き、時に離れ、互いを必要とする気持ちに名前を与えてごまかしながら、僕たち人間は発展してきた。」というものがあります。
つまり、『気持ちの扱い方にも正解はない』ということです。
能力の使い方も、悪との向き合い方も、人を想う気持ちも、正解なんて無い。
その上でそれらをしっかり考えていかなければならない。
そんな話だったように思います。
構成について考えたこと
ネット上のレビューをチラ見すると『先生とのシーンが長い』という意見をいくつも目に入ってきました。
たしかに長かったとは思います。
でもあれだけの長さが無いと読者はぼくと一緒に悪について、罪について、罰について考えられない。
メジャースプーンでしっかり計って、自分のマドレーヌをふくらませるためにはあれだけの長さが必要だったと思います。
クロスオーバーについて
辻村深月という作家はクロスオーバーが好きらしく、本書でも『子どもたちは夜と遊ぶ』や『凍りのくじら
』とのリンクがあるらしい。
解説では『名前探しの放課後』をオススメしているし、次はこのあたりに手を出してみたいと思います。