先日見たバケモノの子について。
見終えた時から感じていたもやもやが解消されたので、感想を書こうと思います。
内容にも踏み込みつつになるので、まだ見ていない人はまずは劇場に行くことをおすすめします。
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成長というものについて
やっぱり成長の話なんだなぁというのを強く感じましたね。
それは、9歳だった九太こと蓮が、バケモノの世界で17歳になる、という単純な成長もありますが、それだけではなく、精神的にも変わっていく様子が描かれていたように感じています。
一番印象的な箇所はやはり17歳になった九太と熊徹が組手をしているシーンです。
宗師様も言っていましたが、あのシーンでは熊徹の成長を強く感じましたよね。
対等な者として教え合い、その中でお互いに成長していったんだな、というのが溢れでて、それを感じて劇場で泣いてしまったシーンだったりします。
この映画における成長は上に挙げたものだけではないと思います。
九太は身体的にも、武術の腕前的にも成長しましたが、熊徹や百秋坊、多々良、二郎丸などなど、心を許せる相手と生きていくことで精神的にも成長しています。
また、熊徹も九太とぶつかり合うことで精神的に成長し、そして『父親』としての成長もしました。
宗師様に『神になる権利』を譲ってもらえたのも、熊徹に欠けていた箇所が成長によって満たされたことを示しているのでしょう。
そして最後のシーンでは、熊徹を心の中に入れ、九太はさらに大きく成長します。
九太は父親に見守られながら、また、父親を受け入れながら、胸を張って生きていくのだと思います。
本当にどこもかしこも成長していく、そのための要素ばかりで、父と子の時間の過ごし方、というものを考えさせられるような作品だったと思います。
全国のお父さんにおすすめしたい作品ですね。
渋谷という街について
この映画の舞台は渋谷です。
バケモノの世界にある渋天街は渋谷とリンクしている街なんですね。
この地図にもあるように、渋天街の門は渋谷センター街の入り口、給水塔は109、決闘した広場がスクランブル交差点、というように同じ場所に同じようなものが配置されています。
また、道の走り方や、植えられた木の種類についても同じようになっています。
このように人間界とバケモノ界がリンクしているのですが、一番重要な場所は代々木第一体育館でしょう。
この場所は渋天街における闘技場と同じ場所にあります。
闘技場と言えば、熊徹と猪王山が戦った場所。
父親が戦い、勝利した場所で、次は九太が一郎彦に勝つ。
そう考えると、最後の戦いが代々木第一体育館で行われる必要があったと言えるでしょう。
巣立ちについて
全ての戦いが終わると、九太は蓮として、人間界に帰っていきます。
じつはコレがもやもやしていた箇所なんですよね。
帰らなくていいじゃないか、と。
住み慣れた、育ててくれば世界で生きていってもいいじゃないか、と。
そう思っていたのですが、よく考えると、これって当然のことなんですよね。
九太は熊徹と過ごし、そして一郎彦を倒して大人になりました。
だからこそ、渋天街を後にして次の世界に進んでいく必要があるのです。
なので、これは人間の世界に帰るのではないのです。
育ててくれた『巣』である渋天街から巣立ち、一人の大人として生きていく。
そう考えると、この流れは当然なんですよね。
共に生きていけるパートナーを見つけ、次は親として成長していくために、巣を後にした。
そういうことなんだと思います。
だから人間界の方の父親とは、親子というよりも対等な人間として接していくのではないかな、と思っています。
さいごに
この映画を見て、白鯨を読んでおけばよかったな、と思いましたね。
何度も出てくるメルヴィルの『白鯨』。
何度も出すからには理由があるはずなのですが、残念ながらあらすじくらいしか知らないため、その意図を理解することが出来ていません。
また今度時間を作って白鯨を読んでからまた見ると理解が変わるかもしれないですね。
あと、上の写真にもありますが、劇場で購入したパンフレットには渋天街と渋谷の地図があります。
これを見ながら渋谷の街を歩いたら面白そうですよね。
路地裏から渋天街に行けてしまったりして。
ちょうど8月中はヒカリエでバケモノの子展が開催されているようなので、そちらを一緒に見に行くのも良いかもしれません。
※ 公式サイトはこちら
→
バケモノの子展最近見た映画の中で一番見てよかったと思える映画でした。
まだ見ていない人は是非見てみて貰いたいですね。
音楽:高木正勝 トイズファクトリー 2015-07-08
日本テレビ・スタジオ地図 LLP KADOKAWA/角川書店 2015-08-05
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http://katsuji.ni-moe.com/movie/bakemononokoバケモノの子を見て感じた『成長』について。
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